札幌で“昔から愛される”レトロ・モダンな喫茶店5選【札幌市中央区】
札幌市内には、通いたくなる魅力がたくさん詰まった喫茶店が数多くあります。
今回は北海道札幌市で昔から愛されるレトロな雰囲気、モダンで落ち着く喫茶店を創業年順に5つご紹介します。
目次
1:創業60年以上の老舗名店「純喫茶オリンピア」
JR札幌駅南口より徒歩約6分、北海道旧本庁舎向かいオフィスビルの地下にある、1964年に誕生した老舗レトロな『純喫茶オリンピア』。
扉を開けると、天井が高く重厚な造り、大きな飴色に輝くシャンデリアが迎え入れてくれます。まるで昭和へタイムスリップしたよう。
7代目のオーナーの菊地さんは現役で活躍するインテリアコーディネーターでもあり、店内の随所に選び抜かれたアンティークな小物や照明等が配されています。
昔ながらの「ナポリタン」(900円)
昔ながらの『ナポリタン』(900円)は、伝統の味わいを残しつつ数種類のケチャップとスパイスで改良を重ねているそう。シンプルながら味わい深く、どこか懐かしさを感じます。
少し甘めのケチャップに絡んだ麺とソーセージ、ピーマン、そのノスタルジーな味わいに、子供の頃の記憶が蘇ります。
オーナーお手製の「苦めカラメル固めプリン」(650円)
天井裏から発見されたヴィンテージガラスの器で提供される、菊地さんお手製の『苦めカラメル固めの自家製プリン』(650円)は、ここでしか食べられないプリンです。じっくりと砂糖を煮詰めてべっこう色に焦がしたカラメルとこっくり固めのプリンは絶品!このプリンを味わうためだけに足を運びたくなるほどです。
人気のクリームソーダ「メロン」
クリームソーダの中でも一番人気の『クリームソーダ(ソーダフロート) メロン』(780円)は、色彩のグラデーションに思わずうっとり。氷は専門店から仕入れ、カチ割り氷をピックで割り使用しています。他にも、レモンやブルーハワイ、イチゴなど計5色の味があります。
裏メニューの『アメジスト』(780円)は、大人シックなパープルに輝く宝石のような美しさです。
また、ペーパーナプキンは全て手織りで、カトラリーも一本一本丁寧に巻かれています。訪れた人がそのナプキンを使い、お店で過ごした感激を時にはバレリーナであったり、ひよこや花を形作って表現し、メッセージを添えてそっと置いて帰ってくれることもあるのだそう。
訪れた人とオーナーとの心温まる交流もさかんな昔ながらの喫茶店です。
【詳細情報】
純喫茶オリンピア
住所:北海道札幌市中央区北4条西6丁目1-3 北4条ビル 地下1階
電話番号:011-231-0433
営業時間:10:00~18:00(ランチ11:00~14:00)
定休日:土日・祝日(月に一度土曜営業あり)
2:サンドイッチが人気の「珈琲とサンドイッチの店 さえら」
大通公園そば地下鉄大通駅19番出入口直結の場所にある、1975年創業の『珈琲とサンドイッチの店 さえら』。サンドイッチが人気で、いつも行列が絶えない名店です。
店内は思いのほか広く、カウンター席とテーブル席に分かれており、昔ながらのウォールナットの趣ある椅子とテーブルが並んだ落ち着いた空間です。
また、カウンター奥の棚に並んでいるのは“沢山の招き猫”です。現在のオーナーの田村さんの父親でもある、初代オーナーが集めたり貰ったりした招き猫がともに出迎えてくれます。
サンドイッチの具材は15種類前後! さまざまな組み合わせが楽しめる
サンドイッチの具材は15種類前後と豊富に揃っており、その中から2種類を自由に選んでオーダーが可能。そのため、100通り以上の組み合わせを楽しむことができます。
なんと言っても一番人気は、『たらばがに&フルーツ』(1,040円、セットドリンク290円)の組み合わせ。
たらばがにのサンドイッチは、たらばがにの脚とフレークをたっぷり贅沢に使いコールスローと合わせた、『珈琲とサンドイッチの店 さえら』の名物の一品です。
特注品のパンはほどよい柔らかさで、具材を引き立てるちょうど良い塩梅です。
フルーツサンドは濃厚でありながら甘さをおさえた生クリームに、いちご、シャキシャキのりんご、キウイと桃の4種類のフルーツがフレッシュに調和します。
また、毎年6月末頃から8月中旬頃まで登場する『夕張メロンサンド』(現在は終売)を味わえる『夕張メロン&スモークチキンサラダ』(1,190円)の組み合わせは、とてもお得感があります!
『夕張メロンサンド』は大ぶりにカットした夕張メロンと、濃厚でありながらしつこくない特製クリームが相性抜群で、毎年リピーター続出の人気商品。コロナ渦にオーナーの田村さんが、「今まで支えてきてくれたお客様のために」と、感謝を込めて考案したのが始まりです。一口食べるとその美味しさに思わず口元がほころびます。
深煎りのさえらブレンド
珈琲はサンドイッチに合わせ酸味をおさえた深煎りのさえらブレンドというこだわりです。口に含むとほのかな酸味を感じ、苦味もそれほどなくマイルドな深みがあります。サンドイッチにぴったりの味わいと香りです。
その他、メンチカツや焼きもろこし、エビカツ等のメニューは、その場で揚げたての熱々をいただけるので、こちらも根強いファンが多いようです。
【詳細情報】
珈琲とサンドイッチの店 さえら
住所:北海道札幌市中央区大通西2丁目5-1 都心ビル地下3階
電話番号:011-221-4220
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:水曜日(祝日と重なる場合は要問い合わせ)
3:アンティーク家具に囲まれる「Café倫敦館」
地下鉄東西線西11丁目駅より徒歩約10分、ミニ大通公園のすぐそばに店を構える『Cafe倫敦館(ろんどんかん)』。
オーナーの菊地さんがお店を開くにあたり、イギリスのロンドンまでアンティーク家具を買い付けに行ったことが、名前の由来となっています。
店内には、現在も利用されている大正11年製のレジスターや、ヨーロピアンアンティーク家具が配され、中央にある螺旋階段で自然と2階へと誘われます。
訪れるたびに、「今日はどの席に座ろうか」と、迷いながらも嬉しい思案にくれるような店内です。
ふっくら&ジューシーな「チキンソテーパプリカ風味(バターライス添え)コーヒー付き」(1,300円)
モーニングや充実したランチメニューが並ぶ中、人気なのは下味を付けた鶏肉をパプリカパウダーで仕上げた『チキンソテーパプリカ風味(バターライス添え)コーヒー付き』(1,300円)。
ふっくらと柔らかく、とてもジューシーな味わいが口の中いっぱいに広がります。肉も野菜も国産の材料を中心に作られているそう。ボリュームもあり、このチキンソテーの美味しさを求めて何度も通いたくなる満足な一品です。
深煎りのオリジナルブレンド
コーヒーは丁寧にハンドドリップされた深煎りのオリジナルブレンド。カップソーサーには『倫敦館』のロゴが入っています。コーヒーの苦みを優しく感じつつも、酸味をあまり感じないマイルドな味わいと香りにホッと安らぎます。
カフェタイムに人気の「ジェラートアルカフェ」(850円)
カフェタイムに人気の『ジェラートアルカフェ』(850円)は、アイスクリームにコーヒーを注ぐデザート。夏から秋にかけて特におすすめの一品です。冷たいバニラアイスに熱いエスプレッソコーヒーを注ぎ、甘くて少し苦味のある大人な味わいはクセになりそう。
店内にはJAZZの音色が穏やかに響き、静かで落ち着いた時間がゆっくりと流れており、訪れた人が思い思いの時間を過ごすことができる喫茶店ですよ。
【詳細情報】
Cafe倫敦館
住所:北海道札幌市中央区北4条西11丁目75
電話番号:011-271-7730
営業時間:9:00~21:00(L.O.20:00)※ランチ11:30~14:00
定休日:なし
4:1987年創業・長年愛され続ける「Coffee gallery Clement(コーヒーギャラリークレメント)」
地下鉄東西線西11丁目駅より徒歩約5分の『Coffee gallery Clement(コーヒーギャラリークレメント)』は、1987年創業と30年以上の歴史がある喫茶店です。
お店の中央に大きなテーブルとスピーカーが置かれ、シックモダンな空間が広がっています。
60年以上受け継がれてきた「英国風黒カレー」
師匠の味を60年以上受け継いで作られてきた自慢の『英国風黒カレー』(ハーフサイズ730円)。※通常サイズは850円
小麦粉とバターを黒くなるまで炒め、玉葱と肉、スパイスを加え、食べる甘酒『オリゼ』と林檎ジュース、蜂蜜等を入れコトコト煮込むことで、まろやかな黒カレーを作り上げているそう。コクがあり奥深い味わいは、何度もリピートしたくなる逸品です。
サラダとお味噌汁付きでこのお値段はうれしくなりますよね。
また、充実のメニューの中でも、『アフタヌーンティーセット』(1,630円アイスコーヒー・アイスティーは+150円 ※ケーキにより値段の変動あり)も人気の一品。14:00から16:30までの限定で、ハーフカレーまたはサンドウィッチとケーキ、飲み物がついているお得なセットです。
季節ごとに楽しみが変わるケーキ
季節ごとに変わるケーキもこのお店の魅力です。7月頃に販売されていた『桃のミルクレープ』(現在は終売)は、22~23層のモチモチのクレープの食感と新鮮な桃が幾重にも重なり、まさに口福を感じます。
また、毎年8月下旬頃からは同店で最も人気が高い『カボチャのクリームチーズケーキ』(600円 ※ドリンクは100円引き)を楽しめます。人気とのことで、毎年心待ちにしている常連さんもたくさんいるのだそう。
自分好みのカップで味わう、こだわりのコーヒー
カップは、120以上もの中から、好きなカップをその日の気分で選ぶスタイル。添えられたQRコードを読み込んで、選んだカップの詳細を見ることができるのも嬉しいです。
今回は1979年から2000年までの間製造されたノリタケの最高峰『ダイヤモンドコレクション』をチョイスしました。
こだわりのコーヒーは、深煎りのフレンチタイプの豆をハンドドリップで丁寧に抽出しています。
ギャラリースペースが併設
喫茶空間のすぐ隣には、ギャラリースペースが併設されています。
このスペースでは展示会のほか茶話会、ミーティング、ワークショップ等が催され、いつも賑わいを見せています。
いけばな『嵯峨御流(さがごりゅう)』目代の認状を持つ、多才なオーナー古屋さんの生花も店内に彩りを添えています。
【詳細情報】
Coffee gallery Clement(コーヒーギャラリークレメント)
住所:北海道札幌市中央区南1条西13丁目317 フナコシヤ南1条ビル2階
電話番号:011-242-9106
営業時間:【平日】11:30~20:00(L.O.19:00 ランチ11:30~14:00)
【土日・祝日】11:30~19:00(L.O.18:30 ランチ11:30~14:00)
定休日:月曜日(不定休あり)
5:ひっそりと佇むノスタルジックな古民家珈琲店「森彦」
古民家珈琲店『森彦』は、円山公園駅から徒歩約5分、路地裏にひっそりと佇んでいます。オーナー兼アートディレクターでもある市川さんが、家族と共に木造家屋を足掛け3年の時間をかけて再生させ、1996年にオープンしました。
札幌で10店舗のカフェ・レストランを運営するコーヒーカンパニー『MORIHICO.』の原点となる場所です。「海彦、山彦があるのだから森彦があってもいい」と命名したのは、市川さんの父親だそう。
お店の中はどの場所もひとつひとつの場所が違う趣で、レトロなミシン台をリノベーションしたテーブルや、ゼンマイ式の古時計が時を刻んでいます。訪れてすぐ、朝10時を知らせるゼンマイ式の古時計の音が静かに響き、なんともノスタルジーな雰囲気に心が落ち着きました。
深い苦みと甘みを味わえるおすすめのコーヒー「森の雫」(913円)
モカをベースにした深い苦みと甘みを味わえる『森の雫』(913円)は、オーダーが入ってから自社焙煎の豆を挽き、ネルドリップで丁寧に抽出されています。
モカ、マンデリン、コロンビアをブレンドした深い味わいと香りはまさに至福の一杯です。
口の中でとろけるフワフワな食感「ガトーフロマージュ」(550円)
今回、『森の雫』と一緒にいただいたのは、同系列店の『もりひこ菓子ほ』で作られている『ガトーフロマージュ』(550円)。
甘さ控えめで、口の中でとろけるフワフワな食感が『森の雫』と相性抜群でした。しっとりとなめらかで、チーズの旨味をしっかりと感じることが出来ます。
また、『チーズトースト』(715円)も人気商品なのだそう。オーガニック小麦の味わいが広がるもっちりと柔らかい食パンに、たっぷりのチーズをのせてカリっと焼き上げた人気の一品です。
【詳細情報】
森彦
住所:北海道札幌市中央区南2条西26丁目2-18
電話番号:0800-111-4883
営業時間:9:00~20:00(L.O.19:00)
定休日:なし(年末年始休あり)
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北海道Likersライターのひとこと
札幌市内の昔から愛される喫茶店5選をご紹介しました。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材・撮影/丸井 緑子
【画像】北海道Likers
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